漫画家アシスタント、やる?やらない?
漫画家になる為の道の一つに「マンガ家アシスタント」があります。
漫画家のアシスタントは賛否両論で、「編集のコネが作れる」「アシスタント先の漫画家の影響をモロに受ける」「マンガ家になる為の近道」「アシスタントの方が漫画家より収入は安定する」と意見も様々です。
そこで漫画家アシスタントになる方法から漫画家アシスタントのメリット・デメリット・個々の問題を通して(将来漫画家を目指す事を前提に)どう漫画家アシスタントとして振舞えば良いかをまとめました。
全てのマンガ家アシスタント、アシスタントをやりたい漫画家志望の役に立てれば幸いです。
「漫画家アシスタントになる方法」
・マンガの持ち込み、投稿の際にアシスタント希望の旨を担当編集に伝える。
(編集者が画力などを見てアシとして使えると判断すればヘルプアシスタントとして漫画家を紹介してくれる。また、担当付きになると編集からの斡旋で漫画家を紹介してくれるパターンも。)
※アシスタント希望を一度依頼したとしても、編集者が忘れている場合もあるので、アシスタントになるには何度か連絡する事。
・漫画雑誌のマンガ家アシスタント募集欄の要綱を見て応募。
(大抵、履歴書と背景カット数点が要求される。)
・稀に、就職サイトや就職情報誌にも漫画家アシスタントの募集をする事がある。
・漫画専門学校の生徒になりアシスタントの斡旋をしてもらう。
・J.A.C.(Japan Assistants Club)の専用掲示板を利用。(結構アシスタントや漫画家の間で使われている)
「漫画家アシスタントに必要な技術」
・大体のアシスト作業の最初はスミベタやスクリーントーン貼り等、簡単な仕事を依頼される。
そして枠線・フキダシのペン入れ、ホワイト、
↓
効果線、ブラシ、霧吹き、トーン削り、描き文字
↓
モブシーン、背景・乗り物・小物のトレス
↓
資料起こしからの背景描き、とレベルアップする。
・漫画家によって様々だが、背景の依頼が一番多い。
・建物、人物、車(メカ)漫画の原稿に使える背景のカットを描ける能力。
(作画時間も早い方が良い。)
・背景はパースを取る能力、構図のセンスが必要不可欠。
あと、「こんな感じの背景が欲しい」と漫画家の先生がアシスタントに伝えてくるのでコミュニケーション能力や伝えたイメージを絵にする能力も必要。
・背景や、小物の場合は写真のトレースで描く事もありトレースの技術も必要。
・放射線(ベタフラッシュ)、効果線、擬音等のペンワークも必要。
(付けペンに慣れてない人は要練習。)
・睡魔や徹夜に耐えられる気力や体力。
(睡眠時間が2、3時間、〆切間近で修羅場だと徹夜もよくある為。)
・後々、身近な物で漫画の背景によく出る建物や小物は想像で描けると便利。(窓、玄関のドア、学校の机椅子等。)
アシスタントの経験が増えるとたまに先生が「資料が無いけど描いてくれ」と頼む事がある。
「漫画家アシスタントの給料」
・漫画家によってバラバラだが大体、日給換算で一万円前後が相場。
・アシスタント代は漫画家持ちなので漫画家の懐に寄るが、比較的簡単な仕事だと安く、逆に複雑な仕事を依頼する時は給料も高い。
・場合によっては交通費や食費などが出る仕事先もある。
(基本は実費なのでアテにはしない。)
「漫画家アシスタントのメリット」
・自分自身が漫画家になった時に、雇ったアシスタントにどう接すれば良いか分かる。
(逆に言うとアシスタント経験の無い漫画家はアシスタントの使い方、接し方、人件費の計算にすら戸惑う。)
・プロの現場で、絵を描く事(背景や仕上げなどのテクニック)を教えてもらえる。
テクニック、段取り、仕事の進行手順など漫画を描く現場で無いと分からない事を把握出来、仕事と言う真剣勝負の現場で、漫画家の厳しさを学べる。
(でもアシスタントにならずにいきなり漫画家になっても分かる事ではある。)
・収入に関しては下手な漫画家より一定の収入が入る為、安定する。何より絵に関わる仕事なので働きながら絵の勉強が出来る。
(でも将来漫画家になる道を選ぶなら安定収入と言うぬるま湯には長く浸からない方が吉。)
・漫画家の先生方やライバルのレベルの高い原稿に直に接する事が出来、また漫画家や同僚、編集者から漫画業界の裏話や漫画家デビューのアドバイス等が聞け、漫画業界の人脈が作れる。
・アシスタントの実践経験があると漫画家の仕事のない時は他人のアシスタントも出来てつぶしがきく。
「漫画家アシスタントのデメリット」
・人使いの下手な漫画家の元に行くと理不尽な扱いを受け、不快な経験をする。
(漫画家では無く斡旋する編集が理不尽な場合もある。ある意味反面教師。)
・アシスタントとして働くとなかなか自分のマンガを描く時間が取りづらい。
・ある程度の年数アシスタントを続けると、様々な弊害が出る。
(業界慣れ、作業慣れしてしまい漫画家になる為の向上心を失ったり自作漫画を作らなく、作れなくなる事がある。)
(絵を描くテクニックに走ってしまい、ストーリーを考えられなくなる。)
(構成・コマ割り・台詞回し等全てに影響を受け、漫画の方向性を見失う事がある。)
「漫画家アシスタントをしない時のデメリット」
・いざ漫画家になった時、アシスタントを雇う時に要領が分からなくなる。
・漫画家になると人物以外はアシスタントが受け持つ事が多く、人任せの癖が付いて漫画家を数年やってもベタフラッシュや効果線などが苦手になる。
「漫画家アシスタントの仕事上の注意」
・アシスタントも類は友を呼ぶらしく、少女誌・女性誌なら女性、少年誌・青年誌なら男性のアシスタントが集まりやすい。
また、オタク系漫画家ならオタク系のアシスタント、ヤンキー系や格闘技系等の漫画家なら体育会系のアシスタントが集まりやすい。
・ヘルプ(臨時アシスタント)ではなくレギュラー(常勤アシスタント)やスタジオスタッフは言わば漫画家の先生との運命共同体で、バイト感覚では務まらないので注意。
・働きながら絵が学べるとは言え、漫画家アシスタントは「仕事」が主で「勉強」は従と言う意識で挑む事。
「最近の若いアシスタントは打たれ弱いからリテイクもマトモに出せず、気疲れする…」と言う意見が漫画家の先生からも出るので、変な気は使わせないようにすれば漫画家アシスタントとして長持ちする。
・少数スタッフで仕事をする漫画家の場合、ベタ、トーンワーク、効果線(集中線やスピード 線)、 トレス等の最低限の技術が要求される。
(大人数のスタジオだと、入れてから鍛えるので技術は問わないところも多いが、アシスタントをやるなら最低限付けペンだけは慣れたい。)
・最近はチーフアシスタント以外は、アシスタントを育てる余裕が無い漫画家が多いのでアシスタントの世界も即戦力が求められる。ある程度の技術を身に付けておく。
最近はデジアシ等も流行っているのでコミックスタジオ等のデジコミも勉強するとアシスタントの仕事の幅も広がる。
・アシスタントに応募しても不採用だった場合は、肝心の原稿が汚く、誌面に載せられないレベルの場合が多いので、アシスタント応募のカットは綺麗で丁寧な原稿を描く。
また、学生や未成年の場合は漫画家の先生も徹夜をさせづらいと言う理由もあるので注意。
・東京都内や近郊にどうしても漫画出版社や漫画家が多いので、漫画家アシスタントを探す時は東京の方が有利。
(かと言って地方じゃアシスタント先が全然見つからない事は無い。)
・実作業以外のトラブルを避ける為、動物、食物アレルギーや腰痛などの持病はあらかじめ漫画家の先生に伝えておく。
また女性の場合はセクハラに注意する。
(女性か既婚者の漫画家の先生以外では働かない、等。全ての漫画家の先生がセクハラをする訳では無い。)
あと給料がどれくらい貰えるか、仕事の前にあらかじめ漫画家の先生に聞く事。
(そして一度聞いたらそれ以上しつこくは聞かない。金銭トラブル程厄介なトラブルは無い。)
・アシスタントを大雑把に分けると
「上手くて速い人(漫画家デビューも早く、すぐいなくなる。)」
「雑だけど速い人」
「遅いけど丁寧な人」
「遅いし下手な人(アシスタントを始めたばかりか、才能が無いか、即戦力には使えない。)」
の4種類に分けられる。
漫画家は2番目と3番目を状況に応じて使い分ける事で原稿を仕上げるので、
速いアシスタントはさらにスピードに磨きをかけ、修羅場要員、週刊連載要員。
丁寧なアシスタントはチーフアシスタント級のクオリティ(出来れば速さも)を鍛え、見開き等の大ゴマを担当する、月刊誌要員。
と言う立ち位置を意識して漫画家アシスタントに挑む。
「漫画家デビューを見据えて…」
・漫画家と言う目標にさらに近づくには、アシスタントをやめる時期もあらかじめ考えておく。アシスタント慣れを起こさない為にもアシスタントは最長でも2、3年位までにする。
(漫画家の方でも意欲や吸収力などですぐ漫画家デビューしそうなアシスタントは分かるらしい。逆もしかり。)
・ストーリーを作るテクニックだけは、アシスタントをしていてもなかなか漫画家の先生から伝授は出来ないのでストーリーを作るテクニックを磨く。
そして常に自作の漫画原稿を仕上げ、編集者に見せに行く事を忘れてはならない。
(稀に、連載陣が都合で休載したときに代原として急遽載せてもらえ「漫画家デビュー」なんて事もある)
・出来るだけ複数の漫画家の先生のアシスタントを経験する事で「色々なやり方がある」事、実社会での経験の足りなさの補完も出来る。
・アシスタントを選ぶ際、なるべく自分の目指すものと近いジャンルの作品を描いてる先生を選ぶと、実践できる技をたくさん教えて(盗み)もらいやすい。
(が、好きな漫画家の先生の所でアシスタントはマンガ家の先生自体も避ける事が多いのでオススメしない。)
・有名どころの漫画家の先生ばかりを狙わず、マイナー誌の漫画家さんの方が時間の余裕も多少はあり、アシスタントを育てる意識も比較的高い。
自分を育ててくれる漫画家の先生にアシスタントとして付く方が、当然マンガ家デビューは早い。
・漫画家アシスタントに限らず、漫画業界に入ると他の分野とのコミュニケーションを忘れがちになるので漫画以外の外界とも接触を保つ。
・アシスタントをしているからと言って必ず漫画家になれる、とは思わない事。
(投稿や持ち込みは勿論、ネットや同人誌から編集に拾われ…と言う道もある。)
いかがでしょうか?
一応この記事では「漫画家デビュー」を前提にした内容ですが、実は私も漫画家とアシスタントのどちらが良いのかは結論付けられません。
打ち切りも含めて考えるとアシスタントより漫画家の方が収入の格差は激しく、漫画家になれる確率自体も前の記事に書いた通りなので一概にどちらが良いかは決められません。
それでも「漫画家になりたい!」と思う人は是非、漫画家アシスタントへの道を進みましょう。
※画力向上ガイドではアシスタントになりたい漫画家志望、アシスタント募集を出したい漫画家の先生を募集中。メールを頂ければ紹介いたします。
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全てのマンガ家アシスタント、アシスタントをやりたい漫画家志望の役に立てれば幸いです。
「漫画家アシスタントになる方法」
・マンガの持ち込み、投稿の際にアシスタント希望の旨を担当編集に伝える。
(編集者が画力などを見てアシとして使えると判断すればヘルプアシスタントとして漫画家を紹介してくれる。また、担当付きになると編集からの斡旋で漫画家を紹介してくれるパターンも。)
※アシスタント希望を一度依頼したとしても、編集者が忘れている場合もあるので、アシスタントになるには何度か連絡する事。
・漫画雑誌のマンガ家アシスタント募集欄の要綱を見て応募。
(大抵、履歴書と背景カット数点が要求される。)
・稀に、就職サイトや就職情報誌にも漫画家アシスタントの募集をする事がある。
・漫画専門学校の生徒になりアシスタントの斡旋をしてもらう。
・J.A.C.(Japan Assistants Club)の専用掲示板を利用。(結構アシスタントや漫画家の間で使われている)
「漫画家アシスタントに必要な技術」
・大体のアシスト作業の最初はスミベタやスクリーントーン貼り等、簡単な仕事を依頼される。
そして枠線・フキダシのペン入れ、ホワイト、
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効果線、ブラシ、霧吹き、トーン削り、描き文字
↓
モブシーン、背景・乗り物・小物のトレス
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資料起こしからの背景描き、とレベルアップする。
・漫画家によって様々だが、背景の依頼が一番多い。
・建物、人物、車(メカ)漫画の原稿に使える背景のカットを描ける能力。
(作画時間も早い方が良い。)
・背景はパースを取る能力、構図のセンスが必要不可欠。
あと、「こんな感じの背景が欲しい」と漫画家の先生がアシスタントに伝えてくるのでコミュニケーション能力や伝えたイメージを絵にする能力も必要。
・背景や、小物の場合は写真のトレースで描く事もありトレースの技術も必要。
・放射線(ベタフラッシュ)、効果線、擬音等のペンワークも必要。
(付けペンに慣れてない人は要練習。)
・睡魔や徹夜に耐えられる気力や体力。
(睡眠時間が2、3時間、〆切間近で修羅場だと徹夜もよくある為。)
・後々、身近な物で漫画の背景によく出る建物や小物は想像で描けると便利。(窓、玄関のドア、学校の机椅子等。)
アシスタントの経験が増えるとたまに先生が「資料が無いけど描いてくれ」と頼む事がある。
「漫画家アシスタントの給料」
・漫画家によってバラバラだが大体、日給換算で一万円前後が相場。
・アシスタント代は漫画家持ちなので漫画家の懐に寄るが、比較的簡単な仕事だと安く、逆に複雑な仕事を依頼する時は給料も高い。
・場合によっては交通費や食費などが出る仕事先もある。
(基本は実費なのでアテにはしない。)
「漫画家アシスタントのメリット」
・自分自身が漫画家になった時に、雇ったアシスタントにどう接すれば良いか分かる。
(逆に言うとアシスタント経験の無い漫画家はアシスタントの使い方、接し方、人件費の計算にすら戸惑う。)
・プロの現場で、絵を描く事(背景や仕上げなどのテクニック)を教えてもらえる。
テクニック、段取り、仕事の進行手順など漫画を描く現場で無いと分からない事を把握出来、仕事と言う真剣勝負の現場で、漫画家の厳しさを学べる。
(でもアシスタントにならずにいきなり漫画家になっても分かる事ではある。)
・収入に関しては下手な漫画家より一定の収入が入る為、安定する。何より絵に関わる仕事なので働きながら絵の勉強が出来る。
(でも将来漫画家になる道を選ぶなら安定収入と言うぬるま湯には長く浸からない方が吉。)
・漫画家の先生方やライバルのレベルの高い原稿に直に接する事が出来、また漫画家や同僚、編集者から漫画業界の裏話や漫画家デビューのアドバイス等が聞け、漫画業界の人脈が作れる。
・アシスタントの実践経験があると漫画家の仕事のない時は他人のアシスタントも出来てつぶしがきく。
「漫画家アシスタントのデメリット」
・人使いの下手な漫画家の元に行くと理不尽な扱いを受け、不快な経験をする。
(漫画家では無く斡旋する編集が理不尽な場合もある。ある意味反面教師。)
・アシスタントとして働くとなかなか自分のマンガを描く時間が取りづらい。
・ある程度の年数アシスタントを続けると、様々な弊害が出る。
(業界慣れ、作業慣れしてしまい漫画家になる為の向上心を失ったり自作漫画を作らなく、作れなくなる事がある。)
(絵を描くテクニックに走ってしまい、ストーリーを考えられなくなる。)
(構成・コマ割り・台詞回し等全てに影響を受け、漫画の方向性を見失う事がある。)
「漫画家アシスタントをしない時のデメリット」
・いざ漫画家になった時、アシスタントを雇う時に要領が分からなくなる。
・漫画家になると人物以外はアシスタントが受け持つ事が多く、人任せの癖が付いて漫画家を数年やってもベタフラッシュや効果線などが苦手になる。
「漫画家アシスタントの仕事上の注意」
・アシスタントも類は友を呼ぶらしく、少女誌・女性誌なら女性、少年誌・青年誌なら男性のアシスタントが集まりやすい。
また、オタク系漫画家ならオタク系のアシスタント、ヤンキー系や格闘技系等の漫画家なら体育会系のアシスタントが集まりやすい。
・ヘルプ(臨時アシスタント)ではなくレギュラー(常勤アシスタント)やスタジオスタッフは言わば漫画家の先生との運命共同体で、バイト感覚では務まらないので注意。
・働きながら絵が学べるとは言え、漫画家アシスタントは「仕事」が主で「勉強」は従と言う意識で挑む事。
「最近の若いアシスタントは打たれ弱いからリテイクもマトモに出せず、気疲れする…」と言う意見が漫画家の先生からも出るので、変な気は使わせないようにすれば漫画家アシスタントとして長持ちする。
・少数スタッフで仕事をする漫画家の場合、ベタ、トーンワーク、効果線(集中線やスピード 線)、 トレス等の最低限の技術が要求される。
(大人数のスタジオだと、入れてから鍛えるので技術は問わないところも多いが、アシスタントをやるなら最低限付けペンだけは慣れたい。)
・最近はチーフアシスタント以外は、アシスタントを育てる余裕が無い漫画家が多いのでアシスタントの世界も即戦力が求められる。ある程度の技術を身に付けておく。
最近はデジアシ等も流行っているのでコミックスタジオ等のデジコミも勉強するとアシスタントの仕事の幅も広がる。
・アシスタントに応募しても不採用だった場合は、肝心の原稿が汚く、誌面に載せられないレベルの場合が多いので、アシスタント応募のカットは綺麗で丁寧な原稿を描く。
また、学生や未成年の場合は漫画家の先生も徹夜をさせづらいと言う理由もあるので注意。
・東京都内や近郊にどうしても漫画出版社や漫画家が多いので、漫画家アシスタントを探す時は東京の方が有利。
(かと言って地方じゃアシスタント先が全然見つからない事は無い。)
・実作業以外のトラブルを避ける為、動物、食物アレルギーや腰痛などの持病はあらかじめ漫画家の先生に伝えておく。
また女性の場合はセクハラに注意する。
(女性か既婚者の漫画家の先生以外では働かない、等。全ての漫画家の先生がセクハラをする訳では無い。)
あと給料がどれくらい貰えるか、仕事の前にあらかじめ漫画家の先生に聞く事。
(そして一度聞いたらそれ以上しつこくは聞かない。金銭トラブル程厄介なトラブルは無い。)
・アシスタントを大雑把に分けると
「上手くて速い人(漫画家デビューも早く、すぐいなくなる。)」
「雑だけど速い人」
「遅いけど丁寧な人」
「遅いし下手な人(アシスタントを始めたばかりか、才能が無いか、即戦力には使えない。)」
の4種類に分けられる。
漫画家は2番目と3番目を状況に応じて使い分ける事で原稿を仕上げるので、
速いアシスタントはさらにスピードに磨きをかけ、修羅場要員、週刊連載要員。
丁寧なアシスタントはチーフアシスタント級のクオリティ(出来れば速さも)を鍛え、見開き等の大ゴマを担当する、月刊誌要員。
と言う立ち位置を意識して漫画家アシスタントに挑む。
「漫画家デビューを見据えて…」
・漫画家と言う目標にさらに近づくには、アシスタントをやめる時期もあらかじめ考えておく。アシスタント慣れを起こさない為にもアシスタントは最長でも2、3年位までにする。
(漫画家の方でも意欲や吸収力などですぐ漫画家デビューしそうなアシスタントは分かるらしい。逆もしかり。)
・ストーリーを作るテクニックだけは、アシスタントをしていてもなかなか漫画家の先生から伝授は出来ないのでストーリーを作るテクニックを磨く。
そして常に自作の漫画原稿を仕上げ、編集者に見せに行く事を忘れてはならない。
(稀に、連載陣が都合で休載したときに代原として急遽載せてもらえ「漫画家デビュー」なんて事もある)
・出来るだけ複数の漫画家の先生のアシスタントを経験する事で「色々なやり方がある」事、実社会での経験の足りなさの補完も出来る。
・アシスタントを選ぶ際、なるべく自分の目指すものと近いジャンルの作品を描いてる先生を選ぶと、実践できる技をたくさん教えて(盗み)もらいやすい。
(が、好きな漫画家の先生の所でアシスタントはマンガ家の先生自体も避ける事が多いのでオススメしない。)
・有名どころの漫画家の先生ばかりを狙わず、マイナー誌の漫画家さんの方が時間の余裕も多少はあり、アシスタントを育てる意識も比較的高い。
自分を育ててくれる漫画家の先生にアシスタントとして付く方が、当然マンガ家デビューは早い。
・漫画家アシスタントに限らず、漫画業界に入ると他の分野とのコミュニケーションを忘れがちになるので漫画以外の外界とも接触を保つ。
・アシスタントをしているからと言って必ず漫画家になれる、とは思わない事。
(投稿や持ち込みは勿論、ネットや同人誌から編集に拾われ…と言う道もある。)
いかがでしょうか?
一応この記事では「漫画家デビュー」を前提にした内容ですが、実は私も漫画家とアシスタントのどちらが良いのかは結論付けられません。
打ち切りも含めて考えるとアシスタントより漫画家の方が収入の格差は激しく、漫画家になれる確率自体も前の記事に書いた通りなので一概にどちらが良いかは決められません。
それでも「漫画家になりたい!」と思う人は是非、漫画家アシスタントへの道を進みましょう。
※画力向上ガイドではアシスタントになりたい漫画家志望、アシスタント募集を出したい漫画家の先生を募集中。メールを頂ければ紹介いたします。
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